開発episode:RETTOトイレブラシ

ついにやってしまった・・・売れないトイレブラシ!
20代から、プロダクトといえば、いつも印象に残っている仕事は、トイレブラシです。
人間の、いや、生きている限り、裏側に存在する排便の事実!
この世界の無くてはならない便器を清掃する道具作り・・・
何故か、私はこうゆう裏の行動学的な存在を大事にしてしまう修正があるようだ・・・。
トイレを清掃したことがあるだろうか?
あの便器に心を込めて清掃していくときに「ふと。」便器を磨きながら、自分の心を磨き始めている事実に気がつくことがある。
相手がきれいになっていくと、自然と自分自身に清涼感が生まれる。
すべての清掃が終わったときに、いとおしくも感じてしまう便器の存在。思わず接吻してしまいそうになるコミュニケーション。
いけないこれ以上描くと、変態扱いされてしまいそうである。
話を戻そう。
一番最初に作ったトイレブラシは、約2年以上の歳月が必要となった。理由は、コレというトイレブラシを決定するために自分自身の答えが見つからなかったのです。
私自身もデザイナーではあったのですが、空間出身の自分としては、プロのプロダクトデザイナー(シャレではありません。)と仕事をしてみたく、数人のデザイナーの門を叩いた。あるデザイン事務所は、部屋一面にスケッチを張って、私を迎えた。その一つ一つをじっくり見させていただき(約1時間以上)最後に口を開いた私の言葉は「この中には、わたしが作りたいトイレブラシは、ありません。」・・・・ひどい話ですが・・・若気のいたりでしょうか・・・本音を言ってしまいました。
あの尊敬する宮城壮太郎さんに会ったのも、この時でした。浜野商品研究所に伺い、宮城さんにお会いして、トイレブラシをデザインしてくれないでしょうか?と話した時に、宮城さんの一言「ウンチがついた便器を掃除する道具なんて、トイレに置きたくないよねー!」最もな回答です。それ以来の腐れ縁の宮城さんです。
悩みぬいて出た答えが、円筒のシンプルなトイレブラシでした。おかげさまでGマークをいただき、いまだにロングセラーGマークにもなっています。
あの当時、破格の2000円というすごい値段をつけたのですが、飛ぶように売れました。

しかし、やはり値段は大事と次のステップで作ったトイレブラシは、ジャスト1000円の本当にシンプルなトイレブラシとポットのセットでした。コレは後に、ミスターMUJIといわれる、現在のMUJIの社長金井さんも認めてMUJIに入れてくれた商品です。最初は無印なのにひっくり返すとMarnaの刻印がついた、有印の無印でした。
その後は、本当に使いやすいものを作ろうと、しつこいぐらいにユーザー調査を繰り返し作った。「ユーザーの声!コレは使える!」とパッケージに大きくうたった。トイレブラシでした。おかげでこのトイレブラシは、世界一売れまくったトイレブラシとなりました。

その後、フィリップススタルクの愛弟子、クラウディアと仕事した、トイレは、川につながり、エコロジーの原点ですというメッセージをこめたお魚が水に飛び込むトイレブラシでした。また、ひとりの生活に適した、コンパクトトイレブラシ等など・・・本とうにトイレブラシと共に人生があったといっても過言ではありません。



しかし、前職から離れて、前職のプロダクトで重要なものは手をつけないときめて、5年以上が経過しました。
そろそろ、大好きなトイレブラシを作りたい!
イワタニさんから、オファーが来ました。
よし!あの尊敬する宮城さんも言ったように究極のトイレブラシを作ろう!
あの不愉快な道具を、誰も気づかないように忍者のように・・・
悩みに悩んで、ただの隅にある四角い箱を形にしました。
取っ手さえも、自然に見せる工夫を考え完成しました。
しかし、悩みは尽きません。売れないのです。
売り場でも、忍者のように・・・・誰も気づいてくれないのです。
作った自分自身、銀座のハンズに並びましたと報告を受け、見に行っても・・・一体?どこに置いてあるのか?・・・・
完璧なまでに、作りこまれた究極のトイレブラシは、誰の目にも止まることなく、売り場で存在するのでした。
ゴクまれに、発見され、目的を果たすことが出来た製品は、購入者に驚くほど喜ばれている声が、私には入ってくるのですが・・・・
ごめんなさい。いい仕事をしすぎた為に、販売に苦労しているイワタニさんの営業の方々。 コレだから、モノづくりは止められない。あーあ・・楽しい。
written by hide


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