開発episode:Kotori(コトリ) [+d]

Kotori コトリ
2008年6月ライフスタイルショー、友人のデザイナー山田佳一郎さんの展示ブースに存在した。ステージの角にちょこんとたたずむ、木製のコトリ。
心を奪われたデザインであった。
しかし、ベストなクライアントを探すせっかくの展示会、素敵なクライアントが見つかればその会社と製品化にするのが最良だと思ったので、「是非商品にしましょう。展示会が終わったら打合せをしましょう」という言葉を交わし、後日改めて再開しました。

「コトリは、北欧の会社からオファーをいただきました。」と山田さんからの言葉。
「そうですか、残念ですが、あの作品が北欧のメーカーから生まれたら、山田さんにとってもグローバルな展開となり、将来的にも良い効果が期待できそうですね。私はあきらめます。」と残念なやり取りになっていってしまった。
次に興味を持っていた花のような靴べらを製品化に向けて「検討を進めましょう。」と動き出した。
製造方法を検討したり、ユーザー調査をしたりと時間が経過していく中、
山田さんから突然
「コトリなのですが、北欧の会社が、プロジェクトとして取り掛かるのに2~3年後になるという話になってしまい、オファーいただいた会社と製品化を断念してきました。」とミーティング中に話があった。
「えっ?本当?私は実はあれが一番気に入っていたのです。我々に造らせてください。」
と話は思わぬ方向に進みだし、コトリの製品化が決定した。
そこからは、山形や四国・静岡と国内であらゆるつながりを模索し作れる工場探しが始まったが、皆、口々に「出来ない」の連呼の嵐であった。
工場を探している中で、ある工場の若い社長が一言、「これだけ細く絞ることはやったことが無いので、はっきり出来るとは言えません。ただ可能性はないとも言いません。うちの専務に相談してみましょう。」技術でその会社のモノづくりを引っ張ってきた社長のおじさんにあたる専務に相談すると「こんなに細く絞ったら、木が割れてしまうでしょう。やるだけ無駄でしょう。」とちょっと冷たく一言。
「細く絞るための金型の制作は可能でしょうか?」と突っ込むと・・・専務が「うーむ。ちょっと細いけれど技術的に金型は作れるでしょうね。製品は無理だろうけれど」と・・・・・「ならば、金型を造ってください。製品ができなくても責任は私が取りますから、造れるか造れないかやってみたいのです。誰もやってないのなら、是非チャレンジしたいのです。金型代や試作費用は、私が責任持ってお支払いいたしますので・・・・」。
専務「・・・・・・・・じゃぁ、金型屋と相談してみましょう。」と。

Kotori コトリ 靴べら
試作金型が出来上がってくる予定の日から数日経って、
「もしかしたら、出来るかもしれません。」と社長から連絡がありました。
連絡を受けて、すぐに工場に向かいました。
工場に着くと、そこには細く絞られたコトリの原型がありました。
それを目の前に社長と笑いながら「造れましたね。」「曲がるものですね。」と。
しかし、その後も簡単には進みませんでした。製品化に向けて、山あり谷あり、価格のハードルありと多難な道のりを乗り越えてコトリは規制の殻を破り、産まれました。
日本の技術力に乾杯!
日本のデザイン力に乾杯!

written by hide




Kotori コトリ(靴ベラ)
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