開発episode:ウキハシ[+d]

デザイナー小林さん
サッカー好きのスポーツ系、爽やかなデザイナー小林幹也さんは、そんな印象だ。
しかし、持ち込んでくれたデザインは、とても繊細な作品、箸置きの入らないお箸。重量バランスのみで箸の先端が浮くという・・・中国何千年の歴史の中で使い続かれている、それも毎日毎食のたびに使われる道具でありながら、みながちょっと感じている衛生的不満をバランスという神技で解消してしまう心憎いデザインであった。



ウキハシ
何故、今までこの考えが生まれなかったのだろうかと不思議に感じてしまう。そしてそのバランス技は、とても美しく、すらっとし、テーブルの上に置かれているとスレンダーなその造形美は凛とした印象さえ感じてしまう。

ウキハシしかし、そんなデザインにも問題があった。小林さんとのミーティングの際、それは戦いとなってしまった。無造作に持った時に上下がバラバラにつかんで使用すると先端同士が離れてしまい、その使い悪さは道具として許せるものではなかった。人間の器用さは、それをも超えて、何とか使えてしまうのだが・・・・・私は問題を感じた。
「+d の商品は、道具として使いづらい物は、発売したくない。」と私は語った。
そのとき小林さんは、
「それこそ小さい頃に、みんな母から言われた経験があるように、[お箸を綺麗に持って使いなさい。] 日本に 所作 という言葉があるように、その日本の心をこの箸は、同時に伝えたい。揃えて使うと使いにくさは解消され、揃えておく事により、ウキハシは、箸置きが無くとも成り立つのです。その心を現代の人たちに伝えたいのです。」
その言葉を聴いて、私は思わず頷いてしまった。
その心に感動!

ウキハシ展示 アンビエンテ2007これからのモノヅクリは、単に道具を作るのではなく、そのモノに心が入る事によりモノだけの存在を超えた精神の加わった存在へと変化する。作り手と使い手が繋がるコミュニケーションへと変化する。我々が大事にしたい「This is a message
私たちは、自身を持って、使い方の心を含めて、世の中に出していこうと決めたのである。

残念なことにGマークでは、落選してしまった。
デザインにこめられた心が伝わらなかったのか、我々のプレゼンの反省もしきりです・・・。

written by hide
  

デザイナー小林さんのウェブサイトはこちら↓
http://www.mikiyakobayashi.com/ [外部リンク]


ジャパンデザインネットのデザインキュレーター・桐山登士樹さんによるコラムのページでも小林さんが紹介されています。↓
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/DCG/CURATOR/ [外部リンク]