デザイナーinterview : TODO

今回ご紹介するのはKakiのデザイナー、TODO(トド)さんです。
PVC DESIGN AWARD 2014で優秀賞を受賞された作品をブラッシュアップし、商品化となりました。

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Kakiを思いついたきっかけやコンセプトなどをお聞かせください。

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豊崎さん PVC DESIGN AWARD 2014に向けて塩ビを使ったデザインを考えたのがきっかけです。
その時、いくつか考えた中の一つが「窓に貼る花瓶」でした。コンセプトは「和みの空間の創出」です。
はじめに窓に花が浮いていたら面白いのではと考え、手近にあった花を窓にテープで貼ったら不思議な浮遊感がありました。当初のデザインは吸盤で張りつけるものでした。しかし、吸盤ではデザイン的にもアイデア的にも新鮮では無いので、一旦その案はボツにしました。

その後しばらくして、UVシートを窓に貼った事を思い出し、ひょっとしたら塩ビのシートも貼れるのではと試したところ、思いの外強力に接着できる事を発見しました。さらに、いろいろな試作検証を経て今の形にまとまりました。

KONCENTスタッフ(以下K): 倒れたり割れたりせず置くスペースもいらないので、子供やペットのいるご家庭でも使用できるのが嬉しいですよね。軟質PVCの持つ特長を素直に活かしたプロダクトだと思います。平滑面にしっかり張りつくので、驚きました。


 

Kakiのおすすめの使い方やポイントはありますか?

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岡庭さん 購入した人に自由に使っていただけたらと思います。
最近では、庭に生えているモミの木の枝でクリスマスバージョンの飾り付けを自宅の階段に貼ってみました。
花だけではなく葉っぱや道に生えている雑草などでも良い感じになります。

K:クリスマスの飾り付け、素敵ですね!これならクリスマスツリーが場所をとって飾れないご自宅でも、気軽に楽しめますね。お正月や桜の時期にも良さそうです。

豊崎さん 「Kaki」は単独では成立しません。貼る場所や背景、そして花を挿すことで初めて完成すると思います。さらに、刻々と移り変わる背景によっては、変化も楽しめるものです。
私の場合は、空が見える窓に貼り、「Kaki」が時間や天候や雲の変化を背景として、その移り変わる様を楽しんでいます。雨の日でも結構楽しめますよ。
また、自己粘着性という特長のために何度でも貼ったり外したり出来るので、気分で場所も変えています。

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K:部屋の中にお花があると、とても癒されますが外の変化にも気づかされたりと、毎日違う表情を見せてくれるのはとても素敵ですね。

 

デザインに興味を持ったきっかけはなんですか?

 

岡庭さん 小さい時から美術が好きで美大に進みデザイン事務所を2箇所経てニューヨークに渡りましたが
いちばんデザインを意識したのはニューヨーク時代です。本物のデザインが街にあふれている感が半端なく
ショックを受け今まで以上にデザインに興味を持ちました。


豊崎さん 実家では、季節に合わせ障子や襖を変えており、また食器も変えていました。そういうのがベースになったのではと思います。
工業デザインの道へ進んだのは、大学の進路を考えたときに得意科目が理数系と美術系で、それが生かせる専攻は何かと探したら「工業デザイン」なるものを見つけたのがきっかけです。


最近凝っていることはなんですか?

岡庭さん 最近ではありませんが半径30キロぐらいまでなら自転車で移動する事、車が通れないような裏路地なんか面白いですよ。車では見つけられない風景もあります。
写真は、自転車で散策していた時に見つけた日吉神社の猿の狛犬?です。
羊神社も近所にあり狛羊もかわいいですよ、神社は結構好きです。
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K:猿の狛犬、かわいいですね!来年は申年ですし、縁起が良いです。狛羊も気になります!

豊崎さん プラモデル。いわゆる「出戻りモデラー」です。
50代の時、デザインの勉強になるのではと考え、1/24スケールの車を中心に作りだしました。
あと直近では「Kaki」をいろんな所に貼って写真を撮ること。

K:デザインに対してとても真摯に向き合っているのが伝わります。細かい作業は目がくらみそうです!?

自分たちを一言で表すと?

岡庭さん 凸凹
豊崎さん トド(二人の体型もあるけども、若くも無いので絶滅危惧種であるところが・・・)

K:お二人が作り出したプロダクトはとても繊細でフレッシュですよ!

是非、作業場を見せてください!

岡庭さん 私の作業場の風景です。デザインした物は自分でモデル、原型まで作成します。
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K:立派な工房ですね!作業できる環境があるとすぐモデルが作れて良いですね。

尊敬するデザイナーやアーティストはいますか?

岡庭さん フィリップスタルク、ルイジコラーニ、ティムバートン
豊崎さん 柳宗悦・柳宗理

今後の展開について教えてください。

TODOさん:60半ばと50半ばのコンビなので先と言われても困りますが 名古屋の若手デザイナーをまきこんで名古屋からデザインを発信し、自分たちの経験を若手に伝えられたらと思います。
東京、大阪だけじゃなく名古屋もあるぞ!と。
加えてPVCはまだまだ可能性のある面白い素材ですので、もう少し追求しようと思っています。

K:TODOさん、インタビューのご協力誠にありがとうございました!


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