今回ご紹介するのは、巷で噂の傘をデザインされた、梶本博司さんです。
多摩美術大学立体デザイン科卒業後、家電メーカーを経て、1991年から梶本デザインで
プロダクトデザインを中心に活動されております。
■ご自身がデザインした商品について、思いついたきっかけやコンセプトなどをお聞かせください。
梶本さん:学生時代にまで遡ります。
デザインで小さな革命を起こしたいと本気で思っていましたから、身の回りのものすべてを疑って見ていました。そんな状況の中で、電車内で濡れた傘をさわってビリビリっときたわけです。家に帰って紙に骨の構造を描いて、興奮して熱くなりました。
そのころはコンセプトという概念もなく、ただ思いつきを人に聞いてほしいと傘のシールにあった洋傘振興会に、アイデアスケッチを見せに行ったりしました。
もちろん門前払いであっさり撃沈でしたが、作ってみたいという思いだけ残り、しかし傘を作る事は難しく、その後、数十年も経ってからようやく重い腰を上げてビニール傘の改造をはじめることになります。
改造をはじめると問題点とともに、自立できることや開くときに怖くないことなどを発見しました。それを個展やグループの展示に出品したりして人の反応を楽しむといった感じでした。その後、さまざまな出会いから製品になっていきます。
KONCENTスタッフ(以下:K)
学生の頃に考えていたアイデアが、何十年も経ってようやく製品になったとのこと。感慨深いですね。
梶本さんにとってまさしく子供のような存在なのではないでしょうか。
周りの不思議そうに見る反応を見るのも楽しいですしね。
■反響が気になる所ですが、UnBRELLAの実際の反響、如何ですか?
梶本さん:まずデザイナー仲間で購入してくれている方が多く、とても嬉しいことです。もちろん、興味を持って頂いたのと
使ってみたいという体験願望からだと思います。
家に帰ると数本もある傘なのに、再構築したことが体験に繋がっていることを製品化で知りました。
また、最近同じマンションの人から「応援しています」と声をかけられました。驚きです。
K:まだ製品になる前のプロトタイプを見ていたデザイナー仲間の方も沢山いるかと思います。
ついにできたんだね!と思ってくれる方が沢山いらっしゃるのはとても嬉しいですね。
写真は貴重な試作品UnBRELLAです。
■KONCENTショップで印象に残っているものがあれば教えてください。
梶本さん:「アニマルラバーバンド」「スプラッシュ」「コップ ハンディモップ」「コップ ロールクリーナー」「カバクレヨン」「カバコースター」「カバマグカバー」
アニマルラバーバンドは個人的に輪ゴム色をした人間シリーズが欲しい。
K:人間シリーズですか。ということはヒューマンラバーバンドですかね?笑

あとは普通が嫌だった高校生のときに漠然とめくった電話帳です。デザインという言葉がなんとなくかっこよさそうに見えて、電話した大阪アートスクールという専門学校がきっかけを作ってくれました。K:オタクを「とことん突き詰める」という意味で捉えるとするならば、UnBRELLAはまさしく梶本さんの
オタク気質(といって失礼にならないでしょうか?笑)が生み出した製品なのですね!

K:こ…これは!!笑 シンプルイズベスト!ですね。
B級グルメのさらにお手軽版、どん底グルメというネーミング、今後流行らせたいです!
■ 自分を一言で表すと?
梶本さん:「新人類」
今の若いヤツは、と昔から大人はいいますが、その若いヤツが捉えどころなくそのまま年を取りました。
K:いつまでもフレッシュな梶本さん、素敵です!その遊び心が素敵なデザインを生みますね。
■ 休日の過ごし方は?お気に入りの場所などはありますか?
梶本さん:夕日の海です。といっても海は遠いからYOUTUBEで。空想というか妄想です。
K:かっこいいですね~。波の音は想像力を高めてくれるみたいですよ。
■是非、梶本さんの作業場(アイデアが生まれる場所など)見せてください!
梶本さん:狭小の作業場ですね。環境が良くないから諦めがつきます。
K:色々置いてありますね笑 紙のモデルが何になるのか、気になります。
■ 尊敬するデザイナーやアーティストはいますか?
梶本さん:柳宗理、イサムノグチ、バックミンスターフラーぐらいであとは次々に尊敬する人が現れ消費されていきます。
あ、あとユーミンですね。
K:海をみながらユーミンとかでしょうか。想像(妄想)するだけでいいですね。
最近、WEBSITEをリニューアルしましたのでぜひ見てください。
カジモトデザインオフィス
楽しいインタビューをありがとうございました。