デザイナーinterview:占部 紗也香さん

 

D-800 占部紗也香今回ご紹介するのはTETRA(テトラ)のデザイナー、占部 紗也香さんです。
占部さんは1990年生まれ。
2013年に武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科 陶磁専攻を卒業され、
現在は神奈川にある共同アトリエで造形物や器の制作をおこなっています。

TETRAは武蔵野美術大学をはじめとする美大生とアッシュコンセプトとの産学連携コンペである第一回「MUSABI Product Design Competition 2012」で商品化となりました。

ご自身がデザインした商品について、思いついたきっかけやコンセプトなどをお聞かせください。

占部さん:TETRAは「こういう花器があったら面白い!」というひらめきから生まれたデザインです。花器を連想させるような既存のイメージを排除し、使い手に生け方を自由に想像させるような新しい形の花器になっています。小さいので、無理なく身近に植物を取り入れる事ができるのも魅力であると思います。

KONCENTスタッフ(以下K):オブジェのようにさり気ない存在のTETRAは活けるお花を引き立ててくれますよね。

 

TETRAのおすすめの使い方やポイントはありますか?


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占部さん:ポイントは「かたち」です。自分で原型を作らせてもらい、何度も形の調整を行いました。テトラポットをイメージしてデザインしましたが、工業製品の冷たくて固いイメージにならない様に、柔らかさや温もりを表現したいと思いました。出来上がった形は、どこか生き物の様にも見えませんか?

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TETRAはひとつでも、テトラポットのように幾つか積み重ねて使うことも出来ます。
好きな色の紐でくくって、ぶら下げて使っても可愛いです。
小さい花器なので場所を選ばず、好きなところに置いて飾って欲しいです。

K:TETRAはデータでかっちり形づくられているわけではなく、占部さんの手しごとがそのまま製品となってできあがっています。内側に色のついた釉薬がかかっており、微妙な色の違いを楽しめるのもポイントですよね。
紐でくくってぶら下げて使うという使い方も可愛らしいですね!

 

デザインに興味を持ったきっかけはなんですか?

占部さん:お絵描き教室を開いていた祖父の影響もあり、絵を描いたり、モノを作る事が好きな子供でした。
将来について意識し始めた頃には、美術系の高校に進みデザインを専攻していました。

 

最近凝っていることはなんですか?

占部さん:「写経」
アルバイト先でお寺様と関わる機会が多く、自然と興味を持ち、するようになりました。
内に入っていく感じが、ロクロを回している時の感覚と通ずるところがあります。

K:写経ですか!確かに神経を集中させて、のめりこんでしまいそうですね。
占部さんは集中することが得意なんですね。

 

自分を一言で表すと?

占部さん:「丸」常にころころ転がっています。軸が有る様で無く、無い様で有る…。
見た目も丸いです。

K:人当たりの柔らかい丸い感じ、なんかわかります!


休日の過ごし方は?お気に入りの場所などはありますか?

IMG_0255占部さん:群馬県中之条町。展示の際に訪れてから何かとご縁がありまして、今でも時間があるとちょくちょく遊びに行っています。町中には温泉が幾つもあり、訪れる度に色々とまわらせて貰っています。

K:群馬県北西のほうなんですね。自然に囲まれながら温泉に入れるなんて、良いところですね〜。

 

 

 


是非、占部さんの作業場(アイデアが生まれる場所など)見せてください!

IMG_0800占部さん:自宅から車で15分程の所にある共同アトリエです。
このアトリエで造形物や器の制作を続けています。
集中すると周りが見えなくなるタイプなので、制作を始めると泥だらけで帰宅します。

K:小さくても存在感がある、素敵な作品ばかりですね。

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尊敬するデザイナーやアーティストはいますか?

占部さん:あえて一人に絞らせて頂くと…大学時代の恩師である小松誠先生。
今まで私が出会った人の中で一番、頭の中がみずみずしい方であります。
常に新しい事にチャレンジする姿勢…先生はずっと走っているんです。

K:頭の中がみずみずしい。とても素敵な表現です。

 

今後の展開について教えてください。

占部さん:自分の手で作ったものが少しずつでも多くの方の目に触れるようになっていけたらと思います。

K:インタビューにご対応頂き、ありがとうございました!
またKONCENTにも遊びにきてくださいね!

占部さんのデザインはこちら▼