今回は、プラスディーの新商品「Topolopo(トポロポ)」についてデザインされた浅野 泰弘さんにお話をお聞きしました。
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*トポロポのデザイナー:浅野 泰弘さん
ファスナーの可能性の展開。
KONCENTスタッフ(以下 K):
まずは、この製品をつくる
きっかけとなった出来事を教えてください。
浅野さん:
直接のきっかけは、以前より追いかけてきた
ファスナーの可能性の追求からです。
カバンを見ていて、
いつもファスナーは
なぜ取っ手までないのか?
二つに分かれている取っ手を
ファスナーで1つにできれば、
新しいバッグが作れるのではと考えました。
浅野さん:
四角だけでなく、丸型、レザータイプなど
試作だけで、20回以上作り直しています。
K:
そんなに多くの試作品があったんですね。
浅野さん:
ファスナーを開けると底のマチも広がる、
ケーキ用のカバンも制作してみました。
外側にマチが飛び出る形になったのはこれからです。
K:
ケーキ用のカバンもあったんですね。
確かに他の試作品に比べると、
ケーキが入りやすいようマチと
底が大きいですね。
最初の形から、かなり変わっているようですが、
製品として完成していくなかで、
こだわられた点はどこでしょうか?
浅野さん:
1つは、
取っ手にファスナーを収める方法、
もう1つは、
スムーズに形を変化させる
収まりの工夫です。
また、素材感がチープに見えないよう、
ディテールにもこだわっています。
K:
確かに持ち手にファスナーがあっても
気にならないですし、
大きくしたり、小さくしたり
形を変化させるのも簡単です。
K:
閉めた状態だと、
マチが内側に収まり
ポケットのように使えるのも驚きました。
閉まった時には、マチが別の機能として
働いている。
浅野さん:
トポロポのマチは、
広げた時に外側へ出る部分なので、
濡れても大丈夫な素材を使っています。
領域が変化して内と外が自由に入れ替わる。
そのことで、新しい機能が生まれる。
「ファスナーで形が変化する=驚き」という
表現したかった事が形にできました。
K:
このポケットにペットボトルや
折り畳み傘など濡れているモノを
入れられて本当に便利。
カバンの中に一緒に入れると
濡れてしまう事もあるので、
いつも水滴を気にしながら入れていましたので。
浅野さん:
はい。ですが、防水性だけでなく、
収納時の扱いやすさ、
見た目のよさ、
さらに肌触りのよさ、
外に出る部分なので、
色々な要素も想定しデザインしています。
また、荷物を入れた時
できるだけ雫型にならないよう、
見栄えも良い四角型に見えるのも
ポイントですね。
「内と外」をデザインの大きなテーマとして。
K:
商品名になっている
トポロポとは、どんな意味なのでしょうか?
浅野さん:
ギリシャ語で「位置の学問」を
意味する位相幾何学、
トポロジーから名付けました。
その考え方から内と外をテーマとして
トポロポの形も生まれましたので。
以前発表したスプラッシュも
実は内と外がテーマになっています。
内側と外側の両方に
傘を挿すことができますよね。
しかもカタチとしては繋がっている。
外側でありながら、内側と同じ機能を
はたしている。
僕のイメージの中では、
ファスナーでその中間を表現したかった。
新しいデザインを求めて。
K:
浅野さんは常に新しいデザインを追い求めていらっしゃいますよね。
浅野さん:
見たこともない、新しいものを作りたいです。
ある意味、何だか分からないところが面白いと思うので。
K:
モノが溢れている現代は特にそうですね。
浅野さん:
はい。
今や素晴らしいモノとされている、
エッフェル塔も作った当時には、
鉄の塊が美しくないなど
設計した「エッフェル」も
色々批判を浴びたそうです。
それは、
「今まで見たことのないモノ」
であったからこそ。
しかし、現在では街の象徴となり、
本当に良いモノとされている。
僕もそのようなモノを
作りたいと考えています。
ですので、トポロポも
初めは見たことがない
不思議なモノでありながら、
皆さんに使ってもらっていく中で
本当に良いモノとして認識され、
愛されていく。
そんなプロダクトになると嬉しいです。
K:
そうなんですね。
エッフェル塔は、作られた当時から
ずっと賞賛されていたのかと
思っていました。
トポロポもエッフェル塔のように
「今まで見たことのないモノ」の
魅力が詰まっているプロダクトだと思います。
では、最後にこちらを読んでいただいている
皆さんにひとことお願いします。
浅野さん:
デザイン好きの皆さんであれば、
このバッグの魅力に気がついて頂けると思っています。
応援して頂けたら幸いです。
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