今回は、プラスディーの「Pop Up Animal(ポップアップアニマル)」について、デザインされた松田さんにお話をお聞きしました。
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*ポップアップアニマルのデザイナー:松田優さん
■グニャグニャと自由に変形できる新素材「cALoth(カロス)」
K:
ポップアップアニマルは、平べったいシートからグニャグニャと自由に変形できるのが特徴だと思うのですが、不思議な素材でできていますね。
松田さん:
これは、アルミニウムと布を貼り合わせた、「cALoth(カロス)」という素材です。実は私が考えた新素材なんです。カロスという名前は、布を意味する「cloth(クロス)」にアルミニウムの元素記号である「Al」を挟んで作った造語です。
松田さん:
身近なアルミニウムに異なるテクスチャーを組み合わせたら、形状保持ができるしなやかな布のような、今までに体感した事のない感触を創れるのではないか、と思ったのがこの素材を生み出したきっかけですね。
K:
凄い!松田さんが考えられた素材だったんですね。ですが、なぜこの素材を使って動物を表現しようと思ったのですか?
■ 平面から立体、立体から平面へ
松田さん:
初めは、袋のようなペンケースやポーチなどを作っていたのですが、それではこの素材の特性が100%活きず、もったいないなと思って。色々な形に変形でき、平面から立体的にできる、この素材が最も活きるかたちはないかなと考えたんです。
K:
なるほど。でも平面から立体になるのを頭のなかで考えるのは大変そうですよね。
松田さん:
そうなんです。ですので、逆に立体的なものから、平面になっているものはないかと考えていたら、思いついたのが毛皮やレザーマークだったんです。
K:
確かに!当たり前ですけど、毛皮はもともと動物ですからね。そこから平らになっているからイメージしやすいですね。
松田さん:
はい。あとはもうひたすら動物園に通いました。笑。
K:
実際に行かれたんですね。笑。でも意外と動物って動かなくないですか?
松田さん:
そうなんです。特にゴリラが全然動かなくて、ずっと背中しか見えなかった。笑。でも立った時、「あ、こんなにお尻が大きいのか!」っていう発見があって、すぐに帰って思い出しながらデザインしました。
K:
たしかに、そう言われると想像できないですね。なんとなく見ている事が多いかもしれませんね。
松田さん:
動物のかたちって、人それぞれイメージしている姿が違っていて。実際の動物を観察してみると、象の脚が思っていたより長いなど、「あー、そうなんだ!」と新しい発見もでき、とても面白かったです。
K:
そうですね、象の脚の長さは、考えてみるとボヤッとしか思いつかないです。動物を知っているようで、意外と知らないもんですね。お話を聞くと、ポップアップアニマルを作ったあと実際に動物に会いに行きたくなります!
松田さん:
僕みたいに動物園に通うようになりますよ。笑。
実物を見て、お腹の形、首の角度、脚の長さなど、何度も試作を繰り返し最終的な形状を決めていきました。それぞれの動物の特長を掴んだシルエットになっているので、そこも楽しんでもらえると嬉しいです。
K:
記憶にある動物のイメージと、実際の姿とのギャップが分かると凄く面白いですよね!わかりやすい特徴のある動物でデザインされているので、そこもポップアップアニマルの魅力ですね。
■ 完成形だけど未完成
K:
ポップアップアニマルの夢中になるポイントとして、作る人によって形が違ってくるという点もありますね。
松田さん:
はい。粘土のように同じ動物をつくっても人によって完成する姿が変わります。丁寧につくったり、大胆につくったり、しわくちゃにしたり、折ってみたり、どれだけリアルに近づられるかなど自分の好きなように自由に考えて作れます。
K:
脚を短くして小さくしたり、少し曲げて躍動感をだしたり、象が子象になったりなど、やっているうちにだんだんと深くはまっていくんですよね。コンセントのスタッフの中でも、「自分の方がうまくできている!」とかみんな意地になっていました。笑。
*左:ゴリラ 右:クマ
松田さん:
そうなんですね。笑。僕はできるだけ少ない手数で、どれだけリアルに完成できるかを挑戦していました。
K:
なるほど、そんな楽しみ方もありますね。
松田さん:
はい、あとは脚の角を先におると立体感がでるなどあるんですが、、、これ以上は秘密です。
色々みなさんで試してみて作り方を編み出してほしいです。
K:
秘密の折り方があるんですね。笑。松田さんは作ったあと、どのようにして飾ってるのですか?
松田さん:
例えば象だったら、クリップ入れから水を飲んでいるみたいに飾っています。みなさんも好きなように動かして自由に楽しんでほしいです。
松田さん:
あと非売品ですが、うちの事務所には特大サイズのクマのポップアップアニマルもあるんです。
K:
すごい大きい!!もう人が乗れそうなぐらいですね。笑。
K:
では、最後にこちらを読んでいただいている皆さんにひとことお願いします。
松田さん:
このプロダクトは粘土のようで、同じ動物をつくっても、人によって完成する姿が変わります。丁寧につくったり、大胆につくったり、しわくちゃにしたり、折ってみたり、家族や友人と一緒に楽しみながら作ってみてください。
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