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Design Story Gulliver Frame

2020年に開催された「h concept DESIGN COMPETITION」のテーマは、”ひとめ惚れ”。

人との出逢いはもちろん、モノとの出逢いにも、デザインや機能、アイデアやバックストーリーなど思わず心惹かれてしまう”ひとめ惚れ”が存在します。

そんな”ひとめ惚れ”してしまう生活用品として応募されたデザインは、総数362点。
その中から選出された3点が2021年秋、+dの新製品として発売されます。

この通称+d「ひとめ惚れシリーズ」から、今回は『Gulliver Frame』のデザイナーである熊谷 英之さんにお話しを伺いました。

・この取材は2021年10月中旬に行ったものです。
・新型コロナウイルスの感染リスクを減らすため、最小限の人数で取材・撮影、スタッフのマスク着用などの対策を行っています。
撮影時のみマスクを外していただいております。

 

Gulliver Frame の製品ページはこちら >>


“ひとめ惚れ” を「探す」デザイン

+dでは、『Leaf(リーフ)』のデザインも手掛けられている熊谷さん。
今回はご自宅へお邪魔し、お話を伺いしました。木調の明るい室内でゆったりとした時間が流れる中、話は進んでいきます。


*「Gulliver Frame」 のデザイナー熊谷 英之(くまがい ひでゆき)さん

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KONCENT STAFF(以下、K):
こんにちは。本日はよろしくお願いします。
今回、「h concept DESIGN COMPETITION(以下、アッシュコンペ)」にご応募いただいたことがデザインのきっかけになったと思いますが、”ひとめ惚れ”というテーマについて、どんな印象を持ちましたか?

熊谷 英之さん(以下:熊谷さん):
“ひとめ惚れ”、、、なかなか言葉にしにくいですよね。
「ぐっ」と来るというか、なんか「さらっ」と流せる感じじゃないもの、と思っていて。
だから、”ひとめ惚れ”を出発点にデザインするよりも、自分が好きなモノや作りたいモノと”ひとめ惚れ”との「接点」を探すという方法がしっくりくるだろうな、と考えていました。

K:
なるほど。今回は、どのようなモノが先にあったのでしょう?

熊谷さん:
もともと、素材として「レンズ」に興味があって、いろいろ調べていました。
小さなものが大きく見えたり、歪んで見えたり、様々な見え方があることを知って、これ(レンズ)を使って何か作りたいなということを考えていた。

K:
そのレンズと”ひとめ惚れ”がつながったのは、なぜでしょう?

熊谷さん:
ちょうどアッシュコンペについて考えていた時に、当時3歳の息子が生れてはじめて手にした「虫眼鏡」で、いろいろ覗いて遊んでいる姿を見て「あ、これだ!」と(笑)
レンズを使えば「”ひとめ惚れ”を探すことができる」と思ったんです。

K:
いいタイミングで「虫眼鏡」をゲットしてくれましたね。

熊谷さん:
そう。本当にラッキーだった(笑)

K:
そんな偶然が重なった『Gulliver Frame』ですが、今回の応募作品の多くが “ひとめ惚れ”する「対象」である中で、熊谷さんは “ひとめ惚れ”する「対象を探す」という別の視点でデザインされているのが、印象的でした。
ちなみに「飾る」ということも、最初から想定されていたのでしょうか?

熊谷さん:
そうですね。「見つける」だけで終わるのではなくて、それを「飾る」というのが面白いだろうな、と。
だから虫眼鏡みたいな拡大鏡というよりも「額縁」としての役割を想定していて、最初は奥行きのある箱型で、中に “ひとめ惚れ”したモノを入れるというアイデアもありました。
ただ、そうすると、やたらと大げさなものになるのと、五面体で囲うことで中が暗くなってしまう。中に置いたモノを見せるには、もう少し厚みの薄い、フレームだけでもいいかのなと思って、今の形状になりました。


*アッシュコンペ応募時のデザイン(提供:熊谷 英之さん)。”ひとめ惚れ”を「見つける」「飾る」プロダクトとして、審査時に注目を集めました。

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フレームの中の物語

K:
フレームの話が出ましたが、もともとは別の素材で検討されていましたよね。

熊谷さん:
はい。スチールの焼付塗装で考えていました。

K:
素材が樹脂に変わったことで、デザインも変わりましたか?

熊谷さん:
目指す方向性が、めちゃくちゃ変わりました(笑)
最初はスチールを想定していたので、「なるべくフレームの厚みを薄くして存在を消し、スタイリッシュに」と考えていたのが、同じ考えのまま樹脂素材で試作をした時に、お弁当箱のような印象になってしまって。

K:
お弁当箱!

熊谷さん:
感じてしまったのですよね。お弁当箱感(笑)。直線的でかっちりした枠だったので。
そこから曲線や角度を調整して独特の丸み感を出すようにしました。最終的に樹脂にしかできない、やわらかいフォルムになって、しっくりき始めましたね。
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*じっくりと見ないとわからないほど、微細な調整が施された曲線。平面部分が少ないため、置いた時に独特の浮遊感が生れます。
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K:
色についてはいかがでしょう?

熊谷さん:
これも素材が変わったことによって、樹脂ならではの “半透明” に挑戦することが出来ました。
スチールで想定していた時の ”不透明” なフレームは、中と外を別世界のように、きっちりと分けられるという良さがあった。一方で、光を通す樹脂の “半透明” さは境界線が和らぐので、中と外の「連続性」が生まれます。
その連続性と、レンズ越しのモノだけが大きく見えるという視覚的な不思議さがかけ合わさることで「フレームの中の物語」が生み出されると考え、”半透明” を採用しました。

K:
なるほど。日常と非日常が同時に存在するところに、物語性を感じられそうですね。
色合いも当初の可愛らしいピンクや水色から、落ち着いたトーンに変更されたようですが、どのように決められましたか?

熊谷さん:
基本的には「自分の家に置いて馴染む」ということを考えていますが、今回は眼鏡のフレームを参考にしました。

K:
眼鏡のフレーム?

熊谷さん:
眼鏡のフレームには、樹脂製で割と繊細な色の製品が多いんですよ。もちろん、カラーチップで検討もしましたが、実際に加工・製品化されている状態のものの方がイメージしやすかったので、眼鏡屋さんに通いました(笑)

K:
眼鏡屋さんでは、何を、、、されていたのでしょうか???

熊谷さん:
自分の中の『Gulliver Frame』のカラー展開をイメージして眼鏡を集めて並べたり、写真だとわかりにくいから動画撮影もしたり。あ、一応、ひとつはサンプルとしては購入しましたよ(笑)

K:
店員の方は、さぞ怪しまれたことでしょうね(笑)

熊谷さん:
ふふふ。おかげで、半透明のシボかかっているフレームとレンズの組合せという具体的なイメージを持つことができました。


*熊谷さんが実際に眼鏡屋さんで購入された眼鏡。『Gulliver Frame』の色決めに大活躍してくれました。 

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K:
先程、視覚的な不思議さについてのお話がありましたが、『Gulliver Frame』を通してモノを見たときに、フレームの内側が気にならないということに驚きました。フレーム自体の幅(奥行き)は2cmくらいありますよね。

熊谷さん:
その秘密は「レンズ」ですね。
『Gulliver Frame』で使用しているレンズは、中心から外側に行くにしたがって見え方(反射)が変わっているんです。その結果、人の眼には、ほぼほぼフレームの外側のラインしか見えないようになっています。

K:
なるほど。以前から「レンズ」の特性について調べていた賜物ですね。


*『Gulliver Frame』 左:レンズあり/右:レンズ無フレームのみ。レンズを通すことでフレーム内側が気にならなくなり、大きく見せたいモノを存分に楽しめます。

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K:
大きさは、もともと今のスマホサイズぐらいを想定されていましたか?

熊谷さん:
そうですね。「小さいモノを大きく見せる」から、それほど大きなモノは考えていませんでした。
レンズが大きすぎると、余白が生れて、見せなくてもいいモノも見える可能性もありますし。
でも、置くモノの大きさによって、縦にしたり横にしたり、2つ、3つ重ねて並べるのも面白いかもしれない。

K:
見せたいモノを「どう見せるか」というところで、いろいろとアレンジできそうですね。



*『Gulliver Frame』を積み重ねる熊谷さん。最初のデザインを練る際も、複数個重ねることや組み合わせることを考えていたそう。1つのモノを複数の『Gulliver Frame』で見せたり、飾るモノによって縦置きと横置きを組み合わせたり。アレンジの幅も広がります。

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使う人にゆだねるデザイン

K:
“ひとめ惚れ”というテーマと結びついた『Gulliver Frame』ですが、どんな人が “ひとめ惚れ” してくれると思いますか。

熊谷さん:
『Gulliver Frame』そのものに “ひとめ惚れ”する人は少ないかもしれません。
どちらかというと、これを使って「どんなことをしよう」と想像したり、その時間を楽しむことができる人が “ひとめ惚れ”するんじゃないかと思います。

K:
なるほど。これまでも熊谷さんが作られたモノは、使い方を明確に提案するというよりも、使う人自身が考えて展開させていく余白があるように感じますが、今回の『Gulliver Frame』は、いかがでしょうか。

熊谷さん:
そうですね。「デザイン性が高く、モノだけで完結する」製品も世の中いっぱいあるけれど、自分としては、使う人によっていろいろ変化していくほうが好きなんですよね。だから「使う人にゆだねる」デザインが多いかもしれない(笑)

K:
使う人にゆだねる。確かに、その人の想像力次第でいくらでも使い方が広がりますね。

熊谷さん:
『Leaf』も、友人が結婚式でゲストひとりひとりにメッセージを書いてもらい、あらかじめ木が描かれた透明パネルに貼って「木」を完成させる、という演出をしていたのですが、『Gulliver Frame』も、たぶん自分が思っているよりも面白い使い方をする人が登場すると思うんですよね。そこに期待したいです。


KONCENT駒形本店でも店頭ディスプレイとして『Leaf』を使用(2021年7月撮影)。ご来店される方はもちろん、多くの方に楽しんでいただくことができました。


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フレームを通して伝わるもの

K:
ちなみに、熊谷家のお子さまは『Gulliver Frame』を使ってくれていますか?

熊谷さん:
はい。気にいって、いろいろ遊んでいます。
『Gulliver Frame』って言う名前もちゃんと覚えているんですよ(笑)

K:
それは、うれしいですね(笑)

熊谷さん:
ちょうどお迎えの時間なので、一緒にいってみましょうか。

K:
ぜひ、お願いします!




*熊谷さんのお子さんと、ご自宅近くの公園で『Gulliver Frame』を使って”ひとめ惚れ”しそうなものを探してもらいました。
「今日はいないけど、虫が面白いんだよ!」と教えてくれたり、気になるものを見つけては「なんだこれ!」と覗いてみたり。興味は尽きません。

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K:
親子で一緒に探したり、同じものをじっくり見たりするのも楽しいですね。
熊谷さんご自身は、どのような使い方を考えていますか?

熊谷さん:
玄関に置いて、外で何気なく拾ってきた松ぼっくりや落葉など、季節を感じられるものを置いたりするのがいいかなって考えています。「茶室の花」みたいなイメージですね。

K:
いいですね。季節を身近に感じられる暮らし、素敵です。

熊谷さん:
それに、飾りたいモノを「ぽんっ」と置くだけだから、子どもにもできるので。
家族で日替わりにして、それぞれが見つけたモノや、その日の気分を伝え合うようなことも楽しめるかもしれない。

K:
確かに、自分の好きなモノを飾るだけではなくて、このフレームを通して「誰かになにかを伝える」ということもできそう。いろいろな方が、その人なりの『Gulliver Frame』の使い方を見つけてくださることが楽しみですね。
本日は、貴重なお話をありがとうございました。

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+d | Beaver Dumbbell

 

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Design Story Beaver Dumbbell



2020年に開催された「h concept DESIGN COMPETITION」のテーマは、”ひとめ惚れ”。

人との出逢いはもちろん、モノとの出逢いにも、デザインや機能、アイデアやバックストーリーなど思わず心惹かれてしまう”ひとめ惚れ”が存在します。

そんな”ひとめ惚れ”してしまう生活用品として応募されたデザインは、総数362点。
その中から選出された3点が2021年秋、+dの新製品として発売されます。

この通称+d「ひとめ惚れシリーズ」から、今回は『Beaver Dumbbell』のデザイナーであるDOOGS DESIGN(ドーグス デザイン)のお二人にお話を伺いました。

・この取材は2021年10月下旬に行ったものです。
・新型コロナウイルスの感染リスクを減らすため、最小限の人数で取材・撮影、スタッフのマスク着用などの対策を行っています。
お二人には撮影時のみマスクを外していただいております。

 

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「触ってみたい」という感覚

木工家具職人、インテリア設計事務所勤務、家具メーカー勤務などを経て、活動されているお二人。
ご夫婦ならではの息の合った掛け合いと、温かい空気感の中、話は進んでいきます。


*「Beaver Dumbbell」 のデザイナーDOOGS DESIGNのお二人(左:中島 麻友子(なかじま まゆこ)さん、右:中島 保久(なかじま やすひさ)さん)

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KONCENT STAFF(以下、K):
こんにちは。本日はよろしくお願いします。
今回、「h concept DESIGN COMPETITION(以下、アッシュコンペ)」にご応募いただいたことがデザインのきっかけになったと思いますが、テーマの”ひとめ惚れ”について、どんな印象を持ちましたか?

中島 保久さん(以下、保久さん):
最初は「一目見ただけで好きになる」ことだと思っていましたが、考えていくうちに、ときめきだったり、ちょっと気になることだったり「好きになる一歩手前」なのかな、ということにたどり着きました。

中島 麻友子さん(以下、麻友子さん):
そこから、二人にとっての「好きかもしれない」状態について、いくつかキーワードを上げていくところから始めて、その時に出たのが、「触り心地」や「素材」の良さについてでした。

K:
視覚よりも、触覚での”ひとめ惚れ”というのが、新鮮ですね。

麻友子さん:
自分たちが惹かれるのは「触ってみたい」という感覚が一番大きいですし、木でできたものが好きなので、木の触感というのは最初からどこかにあったかもしれないです。

保久さん:
ものづくりをはじめた原点が、二人とも「木」にあるので、普段から「木」に対しては愛着をもって接していますね。

K:
その「木の触感」から、ダンベルを作ることになったきっかけは、どのようなものでしょう。

保久さん:
もともと、運動不足解消のために鉄アレイ等を使っていたんですけれど、あまりにも「スポーツ用品」という見た目で、表に出しておくと雑然とするし、毎回収納していたんですよね。すると、だんだん「今日はいいか」って思ったりして(笑)

麻友子さん:
見えないと、存在を忘れちゃうんですよね(笑)

保久さん:
そこで「ダンベルが木でできていたら、インテリアとしても馴染むし、手に取りたいって思えるのでは」と考えたのが、きっかけですね。


*オブジェのような佇まいでインテリアに溶け込みつつ、思わず手に取りたくなるようなデザインが特徴

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K:
なるほど。「触り心地」のひとめ惚れと、「運動器具を木で作りたい」という想いが、つながったということですね。
ところで、なぜ「ビーバー」なのでしょう?

麻友子さん:
まず、木でダンベルを作るにあたって、持ち手の形状はもちろん、触り心地の良さもポイントになると考えて、つるっとしたものよりも、ごつごつした「なぐり加工」のテクスチャが面白いそう、という話をしていて。

保久さん:
その時に、子どもの頃に図鑑で見たビーバーを思い出して、この「なぐり加工」が、「ビーバーのかじり跡に似ている!」という発想に結びつきました。

麻友子さん:
それに、ビーバーは住む環境を整えたり、先代から引き継いだ家をメンテナンスして使い続けたりと、ちょっと人間と同じようなところがありますし、英語で「Work like a Beaver」という諺があるように「働き者」ということが、運動器具でのワークアウトとつながりを感じました。

K:
今回のデザインは旦那様からのご提案だったということですが、普段は作業の役割分担などされていますか?

麻友子さん:
そうですね。今回の原案は夫からですが、いつもモノを作る時はお互いにアイデア出しをして、二人で「いいかも」って納得したデザインで進めていく方法を取っています。

保久さん:
(発泡スチロールの模型をだしながら)ちなみに、今回「こんなのどう?」って提案したのはこれです。。

麻友子さん:
夫は、夜な夜なモノを作ることが多くて、気が付くと「シャコシャコ」削っていたりするんですけれど(笑)
今回も、手が先に動いてこの形を作っていましたね。

保久さん:
「持ち手が木をそのまま削ったみたいにして、上は年輪で、かわいらしいし、いいよね」って。僕がまず彼女に提案するところから始まりました(笑)

麻友子さん:
ここが一番難関(笑)
でも、ビーバーの話も、木の削り方についても知っていたので、今回はすんなりと円満に進みました。


*奥様へのデザイン提案で作られたという発泡スチロールの模型。製品とほぼ同じデザインであるのがよくわかる。

 

デザインプロダクトであり、工芸品の要素もある

K:
こうしてみると、最初の模型とほぼ同じデザインで製品化が進んだようですが、サイズ感もはじめから、この大きさや重さ(500g)で想定されていましたか?

保久さん:
やっぱり「手に取ってみたい」というのが大事なので、中に入れる重り等を計算しながら理想的なサイズを探して、最終的にこの大きさに辿り着きました。

実は、製品化にあたって「1kg」の大きいサイズのご提案もいただいたのですが、試作品ができた時に、思った以上に主張が強かった。

K:
確かに。リビングに「馴染む」というよりは、「存在感」が出そうですね。

麻友子さん:
その存在感によって「手に取ってみたい」という気持ちから離れてしまう可能性もありますし、500gはフォルムとしてしっくりくるという助言もあったので、結果的にはもともとのサイズで進めていただくことになりました。


*左:製品(500g)、右:試作(1kg)/ 中に入れる重りが増す分、サイズも大幅にアップし、存在感が強調されてしまったため、「最初のデザインの“ひとめ惚れ”する感覚。かわいい!と直感したサイズ感を信じた」というお二人。

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K:
ちなみに、500gは数字上では500mlペットボトルと同じ重量なので、それほど重くないと思っていましたが、何気なく『Beaver Dumbbell』を手に取った時に「おっと(意外と重い)」となりました(笑)

保久さん:
体が記憶している重さと違いますよね(笑)

麻友子さん:
その「見た目以上の重み感」が大事で、500gという実際の重さ以上に満足できることもあるだろうし、「ちょっと手に取って、体を動かしてみようかな」という気持ちにつながればいいなって思います。

K:
色についてはいかがでしょう?

保久さん:
森に立っている木立(こだち)をイメージしていたので、最初にデザインしたのはグレーみがかっている色の木と、濃い茶色の木という2種類。塗装があることで「木そのものを齧った」という表現が伝わりやすいと思ったので、持ち手は木地のままで、一部分だけ塗装をすることを考えていました。


*アッシュコンペ応募時のデザイン(提供:DOOGS DESIGN)。当初はインテリアに馴染む落ち着いた自然な色合いの提案だった。

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K:
もともとのマットな仕上がりから、木目がはっきりした塗装に変わりましたね。

麻友子さん:
タモ材ならではの木目ですよね。
自然の木に近い形で表現してもらえたので、こっちのほうが良かったなって思っています(笑)

K:
タモ材を使うことも、デザインの段階で想定されていましたか?

麻友子さん:
加工に向く木、向かない木というのもありますし、色目のイメージや木目の出方を意識しながらデザインすることもありますが、今回は、はじめからタモ材だったわけではないです。

保久さん:
そうですね、製品化の段階でタモ材をご提案いただきました。削られた試作品を見て、木目が面白く出ていたので、すごくいいなと思いました(笑)


*左:製品(塗装あり)、右:試作(塗装なし)/ 塗装を施すことにより、木目と「ビーバーの齧り跡」がはっきりとわかるようになった。

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K:
ちなみに『Beaver Dumbbell』は、職人の方に手作業で彫りを仕上げていただいています。
最初の模型を夜な夜な削って作られていたということですが、製品化の際も「手彫り」を想定されていましたか?

保久さん・麻友子さん:
(声を揃えて)まさか!!!

保久さん:
釿(ちょうな)で行う「なぐり加工」のような仕上がりイメージではありましたが、それを機械で表現するものだと思っていましたから、職人の方の手仕事で1本1本仕上げていただけるというのは、本当にうれしかったです。

麻友子さん:
人の手によって、想像以上の製品が出来上がったことに感謝していますし、デザインプロダクトでありつつ、工芸品の要素も含まれているということも魅力のひとつに加わって、自分たちは幸せ者だなって思います(笑)


*出来たてほやほやの製品パッケージを手にした瞬間のお二人


気持ちいいから、続けたくなる

K:
ところで、お二人は普段の生活で運動をする習慣はありますか?

麻友子さん:
私は週に15キロ走っています!

保久さん:
僕は、あんまり、、、。

K:
なるほど。『Beaver Dumbbell』に同梱される、トレーナーの方からのアドバイスを元にしたエクササイズ方法がありますので、ちょっとお試しいただいても、よろしいでしょうか。


*エクササイズをはじめる前に、まずはじっくりと読み込むお二人。



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麻友子さん:
重さを感じるのが心地いい。(ダンベルを)持っていない時と、全然違いますね。

保久さん:
すっごい伸びますね。肩甲骨が開いていく感じがする。気持ちいいから、またやりたくなる。

K:
確かに「やらなきゃいけない」ではないから、毎日続けられそうですよね。

麻友子さん:
説明書に書いてある以外にも、自分のオリジナルストレッチを作れるかも。

保久さん:
あと、肩たたきをするにも、重さ的にちょうどよさそう(笑)


*エクササイズ方法が同梱されているので、誰でも気軽にすぐ「Work like a beaver」が可能です。

 

本能的にわかるシンプルさ

K:
“ひとめ惚れ”というテーマから生まれた『Beaver Dumbbell』ですが、お二人はどんな人が “ひとめ惚れ” してくれると思いますか。

麻友子さん:
遠目から見ても「木」というのはわかるので、インテリアが好きな方や「木製プロダクト」を選択肢のひとつとして持っている方の目に留まってくれたらな、と思っています。

保久さん:
あとは、運動があまり得意ではない方とか、本格的に鍛えてはいない方に「これだったら私も続けられるかな」と、手に取っていただければ。

麻友子さん:
それから、生まれたてのビーバーの赤ちゃんと同じくらいの重さ(約500g)だったり、ビーバーが木を齧り倒すのと同じくらいの時間がエクササイズにちょうどよいことだったり、そういうサイドストーリーにも魅力を感じてもらえると、うれしいです。

保久さん:
発想はすごく単純なところから始まったので、このシンプルさは子どもにも伝わるのかもしれない。

麻友子さん:
ここ(持ち手)を持つ、というのは本能的にわかるかも。

K:
その「本能的にわかる」というのが、最初に仰っていた「触ってみたい」という触覚の“ひとめ惚れ”につながっているのかもしれないですね。

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K:
ところで「DOOGS DESIGN」の「ドーグス」は「道具」という意味でしょうか?

保久さん:
はい。複数形の「s」をつけて「道具s」。ロゴは「猿」なんですけれど、猿が初めて道具を持った時の喜びを伝える、という意味合いを込めています。

麻友子さん:
住空間や家具、小物も含めて広義で「道具」という捉え方で、心になにか働きかける道具作りを大切にしたいなと考えています。
ただ、電話で「ドーグスデザインです」って伝えると「動物デザインですか?」って聞き返されるんですよね。(笑)

保久さん:
ビーバーを作ったことだし、これを機に、、、

麻友子さん:
「動物デザイン」に変えちゃいましょうか(笑)

K:
今後の展望はいかがでしょうか。

麻友子さん:
今、職人の方と一緒に製品を開発することもやっているので、木に限らず、様々な素材でいろいろな方に使ってもらえるようなものを作っていければと思います。

保久さん:
あとは、使っている人をできるだけ近い距離で感じられる、自分たちのデザインしたモノを直接届けられるような場所を作りたいという最終目標はありますね。

K:
使っている人の顔が見えるというのは、うれしいですよね。
お二人の活動の幅がますます広がることに期待が高まります。
本日は、貴重なお話をありがとうございました。
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Design Story Kinome


2020年に開催された「h concept DESIGN COMPETITION」のテーマは、”ひとめ惚れ”。

人との出逢いはもちろん、モノとの出逢いにも、デザインや機能、アイデアやバックストーリーなど思わず心惹かれてしまう”ひとめ惚れ”が存在します。

そんな”ひとめ惚れ”してしまう生活用品として応募されたデザインは、総数362点。
その中から選出された3点が2021年秋、+dの新製品として発売されます。

この通称+d「ひとめ惚れシリーズ」から、今回は『Kinome』のデザイナーであるwah(ワ―)のお二人にお話しを伺いました。

・この取材は2021年10月中旬に行ったものです。
・新型コロナウイルスの感染リスクを減らすため、最小限の人数で取材・撮影、スタッフのマスク着用などの対策を行っています。
お二人には撮影時のみマスクを外していただいております。

 

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毎日出会ってちょっとうれしい、ひとめ惚れ

普段は会社(メーカー)勤めをしながらデザインユニットとして活動されているお二人。
この日も、お仕事の後にインタビューに臨んでいただきました。
お二人の人柄や関係性がよくわかる、笑いの絶えないにぎやかな雰囲気の中、話は進んでいきます。


*『 Kinome』 のデザイナーwahのお二人 / 左:脇坂政高(わきさか まさたか)さん、右:八田 興(はった たかし)さん

KONCENT STAFF(以下、K):
こんにちは。本日はよろしくお願いします。
今回、「h concept DESIGN COMPETITION(以下、アッシュコンペ)」にご応募いただいたことがデザインのきっかけになったと思いますが、テーマの”ひとめ惚れ”について、どんな印象を持ちましたか?

八田 興さん(以下、八田さん):
抽象的なテーマより “ひとめ惚れ” という強いキーワードのほうが、いろいろ発想が展開すると思うので、考えやすいテーマだなと感じました。

脇坂 政高さん(以下、脇坂さん):
そうですね。商品のデザインを考える前に、二人で「”ひとめ惚れ”って何だろう」「愛って何だろうね」とか話して、キーワードやアイデア出しをしていましたね。

八田さん:
“ひとめ惚れ”って「出会った時にとりつかれるような大きな衝撃」を思い浮かべやすいけれど、日用品においては、そういう「一生に一度あるかないかのような衝撃」よりは「毎日出会ってちょっとうれしい」くらいのほうがいいよね、というのを二人で話していて、そういうモチーフを探していました。

K:
そのモチーフは、どのように見つかったのでしょうか。

脇坂さん:
仕事やアイデアに煮詰まると散歩をすることがあって、その中で「道端でがんばっている花」に出会ったんです。そこから、植物が発芽した瞬間のうれしさや、慈しむ気持ちを体験できることが、毎日の”ひとめ惚れ”につながるのでは、と考えて「植物」をテーマにすることにしました。

K:
なるほど。「植物」から、コーヒーに繋がったのは、なぜでしょう?

八田さん:
コロナ禍でコーヒーを毎日自分で淹れるようになって、その時間が自分の中ではすごく退屈だなと感じていて。なにか楽しくできるアイデアはないかなと考えていた時に、アッシュコンペの「植物」というモチーフとかけ合わさって「これはいけるんじゃないか!」と。たまたまシナプスがつながった感じです。

K:
コーヒーを淹れているときに、むくむくっと想像の芽が生まれてきたんですね。
でも、もともとお二人は、どっぷり「コーヒー派」というわけではなかったんですよね。

八田さん・脇坂さん:
(声をそろえて)そうですね(笑)

脇坂さん:
毎日のように飲んではいたんですけれど、豆から挽く、というようなことまではしていなかったです。

八田さん:
逆にコーヒー通じゃないから、この淹れる時間のめんどくささや、退屈さというネガティブな気持ちをポジティブなものに変えようと考えられたのかもしれない。

脇坂さん:
そう。やっぱり好きでその道にどっぷりはまっていると、もっと機能性の高い道具を求めて、この遊び心(アイデア)は育たなかったと思います。


*アッシュコンペ応募時のデザイン(提供:wah)。コーヒー豆を土に見立て、新芽を育てるというイメージがしっかり伝わりました。

 

デザインとおいしさ、両方を追い求める

K:お二人で活動されているということですが、役割分担などはありますか?

脇坂さん:
普段は明確な役割分担とかはないですね。今回は、八田がスケッチを描いたので、図面も起こしてもらって、それをもとに「もう少しこうしたほうがいいんじゃないか」と話し合いながら進めました。

八田さん:
製品化にあたってのデータ作りも僕がメインでしたが、会社の休憩時間とかに二人で話し合っていました。気が付けばこの一年ずっとコーヒーのことばかり考えていて(笑)。さまざまな形状にトライをしました。

K:
アッシュコンペで応募いただいた時から、サイズ感や素材も一部変更されましたが、デザインの上でこだわったポイントは、どこでしょうか。

左:アッシュコンペ応募時のデザインを元にしたモックアップ。右:『Kinome』製品。(カップはARITAJIKI の mug(WH) を使用)

脇坂さん:
自分達の中では優先順位をつけていて、今回の一番大事な部分は「芽(栓)」。2番目が「鉢(フィルター)」。その次に「土台(スタンド)」。

K:
「芽」は、当初からの「植物」というデザインの要ですものね。

脇坂さん:
最初は、やわらかすぎると、へたって元気のない植物に見えてしまうことを懸念して「硬くしたい」と考えていましたけれど、アッシュコンセプトさんから植物の持つやわらかさを提案していただいて、色合いも含めて、いい塩梅になりました。

K:
コーヒーの粉やお湯がちょっとかかった時に「芽」が “ぷるぷるっ”と動くのが、愛らしいです。


*「芽」の試作(一部)。色・大きさ・柔軟性など、植物らしさへのこだわりが詰まっています。

八田さん:
それからフィルターは「芽」を目立たせるために「植木鉢」に近い形状がいいだろうと考えました。素材は、質感のある焼き物であり、サステナブルな素材ということを目的としていたので、セラミックフィルターの採用を想定しました。ただ、実際にコーヒーを淹れてみると、底が真平な形状では、目詰まりをしてうまくドリップできなかったんです。

K:
そういえば、一般的なセラミックフィルターは、円錐形や側面に凹凸がついていることで、コーヒーがスムーズに落ちるような流れになっていますよね。

脇坂さん:
フィルターの裏面に脚をつけたり、溝を何本入れるかなど、何度も試行錯誤しました。
もちろん見た目(デザイン)へのこだわりもあるけれど、底面の形状やコンマ数ミリの厚みの違いで、味がまったく変わるということを知って「ちゃんとおいしいコーヒーを淹れられる道具にしよう」って考えるようになりました。

八田さん:
コーヒー豆とフィルターの関係がここまで深いものだとは思っていなかったので衝撃を受けましたね。バリスタの方にもご協力いただいて、かなり細かく設定を詰めていきました。

*「鉢 (フィルター) 」底面の試作(一部)。隠れた部分にデザインと味の両立を追求した軌跡が見受けられます。


*『Kinome』(製品) からコーヒーが抽出される瞬間をとらえた様子。

K:
優先順位的には下位の「土台 (スタンド) 」ですが、今見ている限りでは、一番試作品が多そうです。
もともとは、シリコーン素材で検討されていましたよね。

八田さん:
そうですね。加工性や機能面、また「鉢」との視覚的統一感にが生れることについても検討し、素材を磁器へ変更しました。デザインも一度ゼロベースから直し、一番悩んだ部分です。「鉢」を固定する爪や、コーヒーの抽出具合がわかるようにする「のぞき穴」の形状なども含め、「鉢」とのデザインの相性や実際に機能性が向上するかなどチェックしながら、細かい変更を何十回も行いました。

脇坂さん:
この「土台」の意味って何だろうって話をした時に、「芽」や「鉢」を際立たせる部分だからこそ、適当なデザインにしていいものじゃないと考えて、最後までこだわりました。

ただ、僕たちとしては、「土台」があることによって”鉢植えが飾ってある”ことが伝わるデザインを大切にしたかったので、土台の「のぞき穴」をあまり大きくせず小さめのデザインを提案していましたが、アッシュコンセプトさんからは「機能もデザインの大事な要素だから、見せましょう!」と。かなり、せめぎ合いました(笑)

八田さん:
穴じゃなくて、すき間から見えるようなデザインを出したりして(笑)

K:
もはや円形ではなくワイヤーのような線状のものもあったりと、闘いの跡が見えますね(笑)


*「土台」の試作(一部)。「鉢」を支える爪や、のぞき穴の形状など多種多様なデザインの提案がありました。


*『Kinome』(製品) の土台部分。C型にすることで、コーヒーの抽出具合が見える機能性と、磁器の持つ意匠性を両立する仕上がりになった。

K:
最終的には「C型」のデザインになりましたが、決め手などあったのでしょうか。

脇坂さん:
製品開発中に開催された展示会(h concept×LIFE STYLE SALON)で、試作品をユーザーやバイヤーの方に見ていただく機会があって、そこでユーザー目線での意見を伺い、抽出具合が見えることの重要性を感じたことが大きいです。

八田さん:
デザインをするときは客観性が大事なはずなのに。見失っていたよね(笑)

脇坂さん:
結果的に、使い勝手も見た目もいい製品になりました。パッと見では、ポップなデザインだけれども、職人の方などの高い技術力により、しっかりと機能面も持ち合わせることができました。
自分達だけでは絶対に到達しなかったなって思います。関わっていただいた方々に感謝しています。



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誰かと一緒に「芽」を育てているように

K:
すでに最終試作をお使いいただいていると思いますが、今日は、改めてお二人に『Kinome』でコーヒーを淹れていただこうと思います。

脇坂さん:
ここは八田に任せよう!

八田さん:
えぇ、恥ずかしい(笑)。では、2杯分淹れますね。

K:
この「芽」の目盛りも、もともとは一杯分だけでしたよね。

脇坂さん:
そうですね。二人分淹れられるように、二本線を追加しました。
一人分はもちろん、友達や家族と一緒に淹れてもらうことを想定しています。

K:
確かに。誰かと淹れていると、一緒に「芽」を育てているような気持ちになりますね。
ドリップ中も会話や笑顔が自然と生まれるので、コミュニケーションツールとしても活躍してくれそうです。


*「芽」の試作(左:アッシュコンペ応募時のモックアップ / 右:『Kinome』製品)コーヒー豆の目安となるガイドラインを1本から2本に変更した。

八田さん:
よし!淹れ終わりました。いい香り!

脇坂さん:
では早速、いただきましょう!

K:
“ひとめ惚れ”というテーマから生まれた『Kinome』ですが、お二人はどんな人が “ひとめ惚れ” してくれると思いますか。

八田さん:
コーヒーが好きな人はもちろん、(ドリップに)興味があるけれど、なかなか手を出せないでいる人の始めるきっかけになれば。あとは、植物を育てるのが好きな人や、植物を育てたいけれど、いろんな事情で育てられない人とか。そういう人の生活に潤いを与えられる存在になってほしいなと思っています。

脇坂さん:
“ひとめ惚れ” の状態は長く継続しないかもしれないけれど、使っていない時にも目に届く場所に置いて、その人の日常に色を加えたり、ほっとしたり、明るい気持ちにできればと思います。それから、家族で食事をする場にこの子がたたずんでいる姿が、毎朝の生活の習慣になってもらえたら、うれしいです。

K:
最初プレゼントするとしたら、誰に贈りますか。

脇坂さん:
まずは、両親に。コーヒー好きな家族なので、日常使いをしてもらえるっていうのはいいですよね。

八田さん:
僕も両親や親族に。
今勤めている会社では、生活用品として買える製品がないので。自分で買ったり、誰かに贈ったりできるものがあるというのも、うれしいです。

脇坂さん:
両親に使ってもらったこととか、無いものね(笑)

八田さん:
デザイナーとしては、まったく知らない人が使っているのを見てみたい。
Instagramなどに、ぜひ使っている様子を投稿してほしいです。迷わず「いいね」を押します!

脇坂さん:
コーヒードリッパーではあるけれど、別の使い方に挑戦する人も出てきそう(笑)

八田さん:
本当に植物を育てたりね(笑)

 

使うことでちょっと幸せになれるデザインを

K:
ところで、出来立てほやほやのパッケージ付製品(最終試作)が届きましたので、ご覧いただきましょう。

脇坂さん:
めちゃめちゃ、いいじゃないですか。完璧ですよ!

八田さん:
(テーブルに置いて)置いた様もいいですね。

K:
パッケージは、外からも「芽」が見えるように窓が付いています。

脇坂さん:
確かに、この子(製品)の良さを伝えるには、窓みたいなものがあるといいですよね。最初に「芽」が見えるっていいですね。ワクワクします。

八田さん:
これまでパッケージについてあまり考えたことがなかったので、今回は勉強になりました。パッケージもちゃんと愛されて作られているんだ、と感動しました。

脇坂さん:
パッケージの透明の部分にメッセージを書いて贈る、とかもできそうですね。

K:
某コーヒー店のように、自分の名前やメッセージが入った状態で渡されると、うれしいですよね。

八田さん:
ついでに、僕らのサインも入れておこうか(笑)

脇坂さん:
いらないでしょ。売れなくなっちゃうよ(笑)

K:
まだ、芽吹いたばかりの『Kinome』ですが、今後の展開などお考えでしょうか。

八田さん:
今回は1~2杯用ですが、家族や大人数用としてもう少し大きいサイズも検討できればと思ってます。

脇坂さん:
「鉢」の磁器形状を変えるだけで、だいぶ味が変わるということも分かったので、ブラッシュアップもできますよね。

K:
ちなみに、「芽」だけを失くしてしまう方もいらっしゃると思うので、「芽」のバリエーションを考えていただくというのは、いかがでしょう。

八田さん:
いいですねー。四葉のクローバーとか。

脇坂さん:
季節限定で、小さなクリスマスツリーとか。いろいろできそうですね。
(八田さんに)図面、よろしくお願いします!

八田さん:
えー(笑)

K:
ちょっとずつ改良しながら、息の長い製品になりそうですね(笑)
『Kinome』以外で、wahとしての展望はいかがでしょうか。

脇坂さん:
wahのコンセプトとして、人や社会にちょっとした喜びを与えられることを目指しているので、プロダクトデザインに限らず、僕たちの製品やデザインを使うことでちょっと幸せになれるとか、そういった新しい価値を提供していきたいですね。

八田さん:
家具・グラフィック・空間デザインやブランディングなど、カテゴリを横断したデザイン活動を行っていきたいです。

K:
ますますwah Worldが広がっていきそうですね。今後のお二人の活躍が楽しみです。
本日は、貴重なお話ありがとうございました。

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