今回は、プラスディーの新商品「Spin(スピン)」を
デザインされたJordi López Aguilóさんにお話をお聞きしました。
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*Sp!nのデザイナー:Jordi López Aguiló(ジョルディ・ロペス・アギロ)さん スペイン、バレンシア出身。スペイン在住。
KONCENTスタッフ(以下 K):
まずは、この製品をつくる
きっかけとなった出来事を教えてください。
Aguilóさん:
始めは球体、環状体、魚のウキの形など、幾何学的な形で遊ぶところから始めました。
「Sp!n」のアイデアは突然ひらめきました。(スケッチから始まり、その後立体、3Dモデルと展開させていきました)。
I started playing with simple geometric elements: Spheres, Toroids and fishing cork shapes. The idea of a spinning top came suddenly (first in a form of sketches, then in fisical and digital 3d models).
K:
製品のメッセージやストーリーを教えてください。
Aguilóさん:
原子と分子、そして電磁気学にインスパイアされてできたこのコマ、「Sp!n」はまるで空中に浮いているように視覚的錯覚を起こすコマです。回すと、重力の法則にあらがうがごとく、3つの要素(リング、ビックリマークの点とスティック)が切り離され浮いているように見えます。
Inspired by the atomic molecules and electromagnetism, the ‘KOMA’ spinning top creates an optical illusion of levitation.When spinning, its three elements (ring, core and stick) appear like disconnected, challenging gravity laws.
K:
Sp!nのもっとも魅力的なポイントを教えてください。
Aguilóさん:
1. まるで浮揚しているような視覚的錯覚が起きること。
The optical effect of levitation.
2. 初めて回した時の”驚き”。
The ‘surprise effect’ while spinning for first time.
3. 魅力的で人をひきつけ、「Sp!n」を回すことによってストレスや不安から気持ちが開放される。
The use of the spin top is mesmerizing and frees your mind (stress or anxiety relief)
3つのポイントです。
K:
Sp!nはまずは回してみてどう感じるかが重要ですね。
K:
開発中苦労したことなどのエピソードはありますか。
Aguilóさん:
意匠を変えずに、回転時間を延ばすことはとても大きな挑戦でした。最終モデルになるまで、25個ほどのテストモデルを制作しました。
Improving the spinning time without altering aesthetics was a big challenge. Me made around 25 test models before choosing the final shape of the Koma.
K:
回転軸の計算など試作の苦労がうかがえます。
わかりやすく、そして機能的かつ感情に訴える
K:
製品の形状やデザインができるまでにこだわったことを教えてください。
Aguilóさん:
プロジェクトを担当する際、毎回違ったアプローチをするのが好きです。ですので私のデザインスタイルや意匠設計は毎回進化していると思っています。
私はできあがった製品が、シンプルだけどイノベーティブ、わかりやすく、そして機能的かつ感情に訴えるようなものになっていると、そのプロジェクトは成功したと感じます。シンプルさは豪華さに勝りますからね。
I like to approach every project in a new way, so I believe my style and aesthetics are constantly evolving. I am satisfied when the final piece is simple, innovative, easy to understand, functional and emotional at the same time. Simplicity must surpass luxury.
一番大切だと思っているのは
”磨き上げること”
K:
どういう時にアイデアが思い浮かびますか?またデザインするときに大切にしていることを教えてください。
Aguilóさん:
プロジェクトによって異なりますが、タイポロジーや素材、サイズなどの条件がある程度決まっている中でデザインに着手します。だいたいの場合は軽くリサーチをしたあとにスケッチをします。
様々な角度から様々な可能性をつきつめることが好きなので、利点、欠点を確認しつつ、どのアイデアがベストなのかを考えていきます。
それと、受託や持ち込みでなく、自分自身で思いついたプロジェクトの方が実験的でより面白みを感じますね。
スケッチをして、紙を折ったり、モデルを作ったり、過去のプロジェクトから生まれた予想外の結果だったり、そういったところから新しいアイデアが生まれます。
またデザインプロセスにおいて一番大切だと思っているのは”磨き上げること”で、余分なパーツや装飾は最終的に絶対に必要だと思ったもの以外を削り取っていきます。
Some projects start under a briefing so there are a lot of conditions from the start (typology, materials, size…). In that case I will start sketching on paper after some research . I like to study different options and evaluating them: strengths and weakness of each one will define which idea is the best.
Self initiated projects are probably more experimental and fun. They can come from a combination of sketches, paper folding, model making, or an unexpected result on a previous project. There is a very important stage before finishing the design process: cleaning, polishing, keeping only the essential elements and removing any superfluous parts or ornaments.
ユーザーとプロダクトの相互交流はとても大切
K:
現在、世界中で活動されているデザイン製品の紹介お願いします。
Aguilóさん:
現在いくつかのプロジェクトに取り組んでいます。
アメリカのブランド用のアームチェア、デンマークのフロアランプ、スペインのハンギングチェア、スウェーデンのホームアクセサリーなどです。
代表作として自信をもってご紹介できるのは「Just Fold It」というプロダクトです。
私は、”人間”と”モノ”をつなぐ架け橋となるような、ユーザーとプロダクトの相互交流はとても大切だと思っています。
「Just Fold It」は”折り紙”から着想を得た間仕切りで、用途によってさまざまな形に変形できます。
平らに折りたたむこともできるので、収納時にも幅をとりません。
I am working on several projects and different typologies… An arm chair for an American brand, a floor lamp for a Danish brand, a hanging chair for a Spanish producer and a collection of home accessories for a Swedish brand.
A design I am very proud of is probably the Just Fold It. I believe that the interaction product-user is very important, it creates a link between the human and the object. The origami inspired screen can be shaped in many different ways adapting to the customer’s needs. The piece flat packs so it can be stored or shipped using very few space.
その他の作品
詳しくは
http://kutarq.com
instagram :
http://instagram.com/kutarq
”ホンモノ”に対する敬意があると思っています。
K:
日本の好きなところについて教えてください。
Aguilóさん:
日本の好きなものはたくさんあります。
建築(モダン建築と伝統的な建築の両方とも)、クラフトマンシップ(刃物鍛冶、木組、陶芸、竹細工、折り紙、書道)、食文化、地産地消のカルチャー、新旧の融合(ハイテクと伝統)、職人主義などなど。
日本人は”ホンモノ”を求める感性があり、”ホンモノ”に対する敬意があると思っています。
I love so many things of Japan: Architecture (both modern and traditional), Craftsmanship (knife making, Wood joinery, Ceramics, objects made of bamboo, paper making, calligraphy ) , food culture , huge respect for nature and local resources, the well balanced contrast between new and old (high tech and traditional ), the obsession quality, …
I believe Japanese have a special sensibility and appreciate more than any other the authentic and the well made. I just found this photo of a Shodo master writing using a sunlight ray (I think this one was taken in a temple in Kyoto back in 2014)
K:
オフィスのデスクにも日本のモノが数点ありますね。
日本への興味が伝わってきます。
Kutarq studioを率いるJordi López Aguilóさん
http://kutarq.com
「Kutarq studio」は実用的な観点を通して、照明、家具、空間デザインを行っております。各プロジェクトは素材と研究に重点を置く体系的なプロセスに基づいて進行します。
プロジェクトの陰にかくれた”熱量”へのあくなき探求心によって、ただ単に意匠的にすぐれている製品だけではなく、個性と魂のこもったデザインをお届けしています。
Kutarq studioの手がけるプロジェクトは多岐にわたり、家具、照明、インテリアデザイン、建築設計などを手掛けています。シンプルで洗練されたデザインで、何の変哲もない素材を、表現力があって感情に訴える、時がたっても色あせない製品に仕立て上げます。
コペンハーゲンとパリの名門建築事務所とデザイン事務所で勤務。
修士号取得後、出生地のバレンシアへ戻り2012年に自分のスタジオを設立。
彼の作品はいくつもの賞を受賞、国際展示にも多く出展されている。
出展:
Milan Design Week, Frankfurt Light & Building, Neocon Chicago, NY Design week, Paris Maison&Objet and Stockholm Furniture Fair
受賞歴:
Interior Design Magazine Best of Year USA, Red Dot Young Professionals Award, K-Design Awards South Korea, Archiproducts Design Award winner.
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