それは、人工芝から始まった。
テラモトという会社は、工業用の清掃用品では、タフなモノづくりができるしっかりしたメーカーである。
実は、人工芝の製造でも大きなシェアを持っている企業でもあった。
そんな人工芝のサンプルをいただいたのが始まりだった。
芝に似せた草の毛が生えている。ひっくり返すと何かブラシの様に見える。
私の実家は古いブラシ製造業をしていたので、植毛する事の大変さからコスト高になってしまうのがもどかしかった。ところが、人工芝は植毛と言うより瞬時に毛を成形して作るという。
凄い技術…
ためしに、ブラシがわりに使ってみた。
良い感じだ。いける!
ブラシと違って、土台が無く、水切りもとても良い。
人工芝からブラシにこの製造方法を利用してみよう。
まったく新しい商品の顔が見えて来た。
いろいろな寸法やサイズを検討して、何に使用するのが一番適しているのか…
プロジェクトのメンバーで使ってみた。
ブラシの土台が無い分、クネクネと曲がってくれるので、相手に沿う様に形を変化してくれる。
ごぼうなどを洗う時は、くるりと全体を巻きつける様に泥を落としてくれる。
ジャガイモは、あのデコボコを物ともせずに絡みつくように汚れや泥を掻き出して綺麗にしてくれる…ザルなどは、曲面にぴたっとはりつき、細かいあなに毛の部分が出たり入ったりして隅々までスッキリ。
これは、束子(タワシ)の21世紀の姿では…
プラスティックのタワシ=プラタワ
が生まれた。
四角四面で柔軟な新しい時代のタワシ、
台所にタワシの時代から、現代のキッチンにプラタワ!
小さいながら、生活に新しい時代の風が吹いてきたようだ。
小さなものでも生活の中に新しい変化や便利が生まれる度に、デザインの仕事に笑顔がうまれる。使う人もデザイナーも・・・・
written by Hide
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ブランド:tidy (テラモト株式会社)
http://www.teramoto.co.jp/pages/tidy/ [外部リンク]